なんて物議を醸しそうなタイトルですが(笑)
「検定なんて持っていても意味ない!」
「検定の内容って、もう古い」
という発信を、あちこちで聞くようになりました。
そこで、JNA本部認定講師でありネイリスト検定試験官経験のある私が
両サイドの視点から、解説していきたいと思います。
※私のスタンスとしては、結論「好きにしたらいいよ」なので、どちらが悪いとか、どちらがおすすめということは特にありません。

①検定は必要派
ネイリスト検定は1997年より開始しており、およそ26年もの歴史があり、過去に試験内容の細かい変更は数えきれないほどありましたが、
根幹となる試験内容・採点基準は、ほぼ変わらずに来ています。
つまり、時代や流行に左右されない、技術の基礎を固めるための試験である
という位置付けで見れば、ネイルスクール生など技術習得の最中の方々にとっては、
技術基盤を作り込む意図があるので、合格を目指して練習を重ね、受験することだけでも大きな意味合いがあると思います。
また、そのような歴史のある試験であるため、ネイル業界内では影響力がとても大きく、
ネイルサロンへの就職を考える方にとっては、採用どころか面接の応募の可否が決まる重要な要素の一つでもあります。
つまり、ネイルサロンへの就職(雇用されて働くこと)を考えているなら、学んできた実績として、検定試験の取得級を提示することが必要な場面が多いかもしれません。
さらに検定に合格すると、合格証(ディプロマ)が発行されるので、自分自身が努力してきた証明にもなりますから、そういう目に見えるものが欲しい方は、受験するといいかもしれませんね。
②検定は不要派
一方で、検定は時代や流行に左右されない分、今の時代に求められる新しいテクニックや、サロンワークの現場で求められる技術には対応していないので、かえって遠回りではないかという声も聞かれます。
確かに今は、ケアもマシンで素早く出来てしまいますし、
ポリッシュの塗り方とジェルの塗り方は全く異なります。
検定で求められるものと、サロンワークで求められるものが、技術レベル的にも、内容的にも、あまり噛み合っていないという現状が少なからずありますね。
なので、資格の有無に左右されずサロンワーク一直線で、最短で習得していきたいという方は、わざわざ検定を取らなくても、最初からサロンワークを見据えたことを中心に学び始めるのも全然良いと思います。
また、技術を習得したら実務経験を積まずに(ネイルサロンへの就職はせず)そのまま自宅ネイルサロンを開業したい、と明確に決めている方にとっては、検定試験というのはあまり重視しなくても良いかもしれませんね。
検定は「合格」を目指す一方で、サロンワークに「正解」はない
ネイリスト検定は歴史ある試験で、その根幹や採点基準は大幅が変わることはありません。
だからこそ、「技術の基礎」に特化した試験内容になっています。
応用技術はサロンワークでいくらでも学び上達できるわけで、
検定試験は「新人ネイリストの養成所」ではなく
あくまでも「権威と歴史のある公平公正な資格試験」であるため、
別に試験内容をサロンワークの現場に合わせて変える必要もないんですよね。
だから、より実践的なことは、ネイルスクールやサロンの現場で教育すればいい。
というスタンスなのだと思います。
実際、サロンワークには「合格」や「正解」というものは存在しません。
お客様が満足して、また来たいと思ってくださることが、
そのお客様にとっての「正解」になるので、
検定試験のようにお客様から「これが合格だよ」と提示されるわけでもないため
「サロンワークのことは、現場に入りながら覚えていく」ことが実は一番の近道だったりします。
最後に
私自身、時代もあってネイルスクールで当たり前のように検定を受験して、
検定を取らなければいけないと思っていたから、取った。という部分もあります。
今のように、多くの選択肢がある中で、「どうする?」となったら、
正直どちらの道を選ぶか分かりません。
もしかしたら、最初は受けないと思っていても、学んでいるうちに検定を取りたくなって、受験することになってるかもしれませんね。
とはいえ、検定を持っているから偉いとか、何級を持っているから上手いとか、
そういう簡単な話でもないのが、難しいところ。
検定の何級を持っていても、サロンワークが苦手なネイリストもいますし
(現役時代の私がまさにそうでした笑)
検定を持っていなくても、たくさんのお客様がついて、繁盛しているネイリストオーナーさんも沢山いらっしゃいます。
技術はもちろんですが、技術だけでなく、お客様から支持されるには
接客、カウンセリング、などなど総合的な人間力が必要なんですよね。
だから、資格があるからお客様にとっていいネイリストだとも言い切れないですし、
資格がなくても別に悪いネイリストではないということです。
結局は、「ご自身が、何を大事にしたいか」じゃないかな?と思います^^
参考になれば幸いです。